GALLERY龍屋愛知
2017年10月6日 (金) 〜 10月15日 (日) 会期中無休

八太 栄里 個展「気配、滅んでいくまで」

平面作品の展示販売。

少しだけ普段と視点をずらし、思考を働かせることでものの見え方が変わってくる。
絵画制作を通して私はそのきっかけを用意する。
終末を冷静に見つめる視点を持ち、そばに携えながら日々を暮らすのは今をより良く豊かに生きるための方法で、私は自分の作品がそのような役割を果たせるように努めたい。

八太栄里、ギャラリー龍屋での初個展です。
是非ご高覧ください。

 

「気配、滅んでいくまで」
作品に出てくる少女は誰なのかよく問われる。過去の自分の分身という面もあるが、絶対にそうでないといけないこともない。
個人的な記憶をもとに、実際に自分が訪れたことのある場所を題材にするため、自分と似た姿で人物を描いているが、近頃は少女の中に自分の感情はそこまで乗りきらず、内面から離れた存在になってきている。
残留思念という言葉がある。人が強く何かを思った時にその場所や物に残る思考や感情といった思念のことを指す。
私が描く少女は残留思念のような存在であると思っている。過去か未来か何処か別の次元から来たように、もしくは幽体のように、実は実体はそこには無い。
風景画を完成させてから最後に少女を付け足す描き方をしているのはそのためである。
先に述べたように少女の思念は私の個人的な感情というわけではない。残留思念というものそれ自体が少女の形をしているといったほうがしっくりくる。
少女の形をした思念は、鑑賞者と描かれた風景と記憶を結びつける架け橋のような役割を担っている。
その記憶は時には私自身であり、私以外の何者かであり、鑑賞者自身の物にもなり得る。
そのように、土地の気配や人の記憶、思念など形のないものを少女の形に代えて表現しているというのが現状だが、今後それがどのような形になっていくかはまだ分からない。
少女が主役なのではなく、あくまでその土地の色や空気の中に何かを見出すということを目的に今までも描いてきたが、いまいちど画面に現れる少女の役割と存在そして今後の消息について改めて見つめなおし、形の無いものを如何に描くかを探るため、今回の展示では「気配」と「存在」というものに焦点を当てたい。

出展作家

八太 栄里

期日・場所

タイトル
八太 栄里 個展「気配、滅んでいくまで」
会期
2017年10月6日 (金) 〜 10月15日 (日) 会期中無休
営業時間
11:00〜19:00
場所
〒488-0007 愛知県尾張旭市柏井町公園通542 GALLERY龍屋